歌は話し言葉と違って見えるように
読み手は、その行を読む前に、それが歌われるものだと分かるべきです。斜体でも大文字でも、歌うフレーズを一行ずつ書けばそれが伝わります。どちらを選ぶかよりも、脚本のすべての歌で同じ書き方を通すことのほうが大切です。
結論
歌の上に歌う人物の登場人物名を置き、歌うフレーズを一つずつ別の行に書いて、散文ではなく詞として読めるようにします。歌は斜体か大文字で話し言葉と区別し、すべての歌で同じ書き方を使い、最初の歌では(singing)の括弧書きを添えます。引用するのはシーンに必要な歌詞だけにし、背景に流れる歌はト書きで描写します。
ページ上では
INT. HARBOR BAR - NIGHT
Mara steps up to the microphone. The room keeps talking.
MARA
(singing)
The last ferry's leaving,
and I'm still on the pier.
The room goes quiet.
根拠の強さ
読み手は、その行を読む前に、それが歌われるものだと分かるべきです。斜体でも大文字でも、歌うフレーズを一行ずつ書けばそれが伝わります。どちらを選ぶかよりも、脚本のすべての歌で同じ書き方を通すことのほうが大切です。
正しい形は一つではありません。制作されたミュージカルでは、歌詞を斜体で示したもの、大文字で示したもの、色で示したものまであります。ただ、読み手の意見が一致している点が二つあります。歌う行と話す行が同じに見えてはいけないこと、そして最初の歌で採った書き方が最後の歌まで続いていることです。
決まった型はひとつではありません
歌う人物の登場人物名の下に斜体で書くと、ページが落ち着き、歌であることがはっきり伝わります。実際に制作されたミュージカル映画の脚本でも使われてきた形です。
大文字で一行に一フレーズずつ書くのも、昔からあるもう一つの慣例です。文字の多いページでも目立ち、どの書体でも崩れません。
すでにある曲や、シーンの下に流れる曲なら、曲名を挙げるかト書きで描写します。録音したデモと並行して書かれるミュージカルの中には、歌詞をすべて載せる代わりに音源を参照するものもあります。
読みにくさと受け渡しのつまずき
受け取る相手に合わせて選ぶ
ミュージカル以外では、歌はページ上で短く収めます。読み手に必要なのはその歌がドラマの中で果たす役割であって、すべての節ではありません。スペック脚本では、歌詞を載せるより一行の描写のほうが役立つことがよくあります。
制作で使う既存の曲は、どれも権利処理が必要です。それは原稿ではなく制作側の仕事です。オリジナルの歌詞は音楽チームと詰めることが多いので、ほかのセリフと同じように、脚本の通常の改訂の流れで直していきます。
Plotでは、歌の上に歌う人物の登場人物名を置き、歌うフレーズごとに「歌詞」の要素を使います。Plotは歌詞をページ上でもPDFでも斜体にするので、話し言葉ではなく歌として読めます。Final Draftから取り込んだ歌詞は歌詞のまま入り、FDXにも同じ形で書き出されます。
次によく聞かれること
どちらでも通用します。斜体は控えめに読め、大文字は文字の多いページで目立ちます。どちらかに決めて脚本のすべての歌に使いましょう。その行が歌われるものだと読み手に伝えるのは、一貫性です。
たいてい書きません。曲名を挙げ、その曲がシーンで何をしているのかを描写します。既存の曲を載せてもページが増えるだけで物語は進みませんし、制作で使う曲はどのみち権利処理が必要です。
ト書きで書きます。何が流れ、いつそれが意味を持つのか、たとえば「ジュークボックスが古いバラードをかけ始める」のように描写し、歌詞の言葉そのものが物語の展開を担うときだけ引用します。
登場人物
セリフのまとまりの上に置く話し手の名前です。慣例として大文字で書き、誰が話しているかを読み手に示します。
括弧書き
セリフのまとまりの中に括弧で添える短い注記です。セリフの言い方や、話しながらの小さな動作を示します。例:(ささやいて)。使いすぎないようにしましょう。
セリフ
登場人物の下に書く、声に出して話される言葉です。Plotでは「台詞を磨く」スキルが主にセリフへの変更を提案し、1つずつ採用または却下できます。
ダイエジェティック・サウンド
物語の世界の中で鳴っていて、登場人物にも聞こえる音です。セリフ、カーラジオ、部屋にいるバンドの演奏など。非ダイエジェティックな音は観客のためだけに加えられるもので、劇伴や観客に語りかけるナレーターなどがあります。