大文字は強調なので、絞って使う
Final Draftの案内では、重要な効果音、小道具、動きは大文字にしてよいとしつつ、使いすぎると読む速度が落ち、強調が薄れると注意しています。ページの大文字だけを拾い読みした人にも、そのページでいちばん大事な音と物が伝わるのが理想です。
大文字にするのは、ページから飛び出させたい音、小道具、動きと、話す登場人物の初登場時の名前だけ。そうすれば大文字が意味を持ち続けます。
結論
ト書きの中で重要な音を大文字にするのは、ドアがSLAMS、電話がRINGSのように、音を印象づけるためのよくある方法です。物語の鍵になる小道具に同じことをする書き手も多くいます。ただしこれは強調であって、決まりではありません。大文字だらけのページでは何も伝わらなくなるので、控えめに使いましょう。それとは別に、話す登場人物の名前は、初登場のときに大文字で書くのが慣例です。
ページ上では
INT. ARCHIVE - NIGHT
Mara lifts the blue box. Something inside RATTLES.
Down the corridor, a door SLAMS.
ELI (40s, rain-soaked, out of breath) fills the doorway.
ELI
Put it down.
根拠の強さ
Final Draftの案内では、重要な効果音、小道具、動きは大文字にしてよいとしつつ、使いすぎると読む速度が落ち、強調が薄れると注意しています。ページの大文字だけを拾い読みした人にも、そのページでいちばん大事な音と物が伝わるのが理想です。
大文字の効果音を撮影稿の名残と見て、スペック脚本では使わない書き手もいれば、リズムを作る道具として使う書き手もいます。どちらの選択も間違いではありません。雑に見えるのは一貫性のなさ、つまりささいな音に大文字が付いて、大事な音には付いていない状態です。
決まった型はひとつではありません
手がかり、脅威、次に起きることのきっかけなど、観客が気づかなければならない音は、SLAMSやRATTLESのように音を表す語そのものを大文字にします。
話す登場人物の名前を初登場で大文字にするのは、長編映画の脚本でもっとも一貫した慣例の一つです。そのあと、ト書きの中の名前は通常の表記に戻ります。
アクションの多いシーンのテンポを上げるために大文字を多めに使う書き手もいれば、音には一切大文字を使わない書き手もいます。どちらも今の実践としてあり得ます。大切なのは、その選択が意図したものとして読めることです。
読みにくさと受け渡しのつまずき
受け取る相手に合わせて選ぶ
スペック脚本では、大文字は読む流れを速くするためのもので、騒がしくするためのものではありません。シーンを動かす数少ない音と物だけを大文字にし、残りのト書きはそのままで伝わるようにしましょう。
大文字の音や小道具は、シーンに必要なものを各部署が見つける手助けになりますが、何を拾い出すかを決めるのは制作側のブレイクダウンです。ページが出回ったあとは強調の付け方を変えず、改訂ページがすでに使われているページと一致するようにします。
Plotでは、ト書きの大文字はあなたが置くものです。音を印象づけたいところにSLAMSやRATTLESと入力し、新しい登場人物の名前は初登場で大文字にします。シーン見出し、登場人物名、トランジションは入力中もPDFでも自動で大文字になるので、ト書きの行にある大文字は、あなたが選んだものだけになります。
次によく聞かれること
いいえ。重要な音を大文字にするのは強調のためのよくある慣例で、書式の決まりではありません。観客が気づかなければならない数少ない音にだけ使い、ふつうの音は通常の表記のままにします。
新しく話す登場人物が出てきたことを、読み手とキャスティング担当に知らせるためです。最初の紹介のあと、ト書きの中の名前は通常の表記に戻ります。セリフの上の登場人物名は常に大文字です。
凶器、手紙、鍵のように、物語にとって重要な小道具だけです。撮影稿では小道具部のためにもっと多く大文字にすることもありますが、スペック脚本は、大文字をシーンを動かすものだけに取っておくほうが読みやすくなります。
たいていは効果音のことです。ただし撮影の現場では、特殊効果を指すことも多くあります。あとから加える視覚効果に対して、雨、火、割れるガラスなど、セットで実際に行う効果のことです。ラジオドラマやオーディオドラマの台本では行の頭にSFX:と書きますが、映画の脚本では書きません。音はト書きの中に書き、印象づける必要があるときだけ大文字にします。
ト書き
観客が見るもの、聞くものを現在形で書く、脚本の描写部分です。描写とも呼ばれます。
ダイエジェティック・サウンド
物語の世界の中で鳴っていて、登場人物にも聞こえる音です。セリフ、カーラジオ、部屋にいるバンドの演奏など。非ダイエジェティックな音は観客のためだけに加えられるもので、劇伴や観客に語りかけるナレーターなどがあります。
人物の初登場
セリフのある(または重要な)人物がページに初めて現れる場面です。名前を大文字で書き、見た目やふるまいの短い特徴を添えて、話し出す前に人物像が伝わるようにします。
脚本のブレイクダウン
ロックされた(またはロック間近の)脚本に、キャスト、ロケ地、小道具、車両、特殊効果などの要素を印付けしていく制作の工程です。これをもとにスケジュールと予算を組みます。