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執筆の技術創作練習

書けないスランプ(ライターズブロック)を抜ける8つの方法

Inkwellチーム読了時間:7分

ライターズブロックとは、書きたい気持ちも時間もあるのに、残しておきたいと思える原稿が書けない状態のことです。原因は一つではありません。次に何が起きるかわからない人と、場面はわかっているのに一文ごとに却下してしまう人とでは、必要なものが違います。そしてどちらも、単に疲れ切っている人とは違うものを必要としています。

まず、自分がどこで止まっているかに名前をつけましょう。それから、それに合う練習を選びます。以下の練習はどれも5〜15分で終わり、荒削りでも必ず何かがページに残ります。用意するのは原稿とタイマー、そして少しの間だけ、いつもより下手に書いてよいという許可です。

どこで止まっているかを見極めるこのセクションへのリンク

どう感じるかたいてい起きていることまず試す練習
「次に何が起きるかわからない」物語が計画を追い越したか、計画がもう本当ではなくなっている。練習4、次に5
「場面はわかっているのに、どの文も違う」書くことと評価することを同時にしている。練習1、次に2
「中盤で止まって、全部が平板に感じる」前のほうの選択が、物語から緊張を抜いてしまった。練習8
「机に向かう気になれない」一回の作業が大きすぎて始められない。練習7
「第1章ばかり書き直している」先が機能するかを確かめるより、やり直すほうが安全に感じる。練習1、次に6
「人にどう思われるかが怖い」まだその場にいない読者に向けて書いている。練習1、次に3

複数の行に当てはまるなら、今日いる段階を表す行を選んでください。ほかの行はあとで戻ればかまいません。

実例このセクションへのリンク

ハナは、亡くなった母親の家を売る兄妹の小説を書いています。第12章は、ジュンが妹に、彼女に相談せずもう買い手の申し込みを受けてしまったと告げる場面です。ハナはこの場面が大事だとわかっています。この一週間、最初の段落を書いては消し、ファイルを閉じてきました。

最初の試みは、場面そのものではなく場面の要約になっています。

ジュンはミナに申し込みのことを話した。彼女は自分に相談なく決められたことに怒り、傷つき、二人は母が何を望んだだろうかと言い争った。

ハナは表の2行目にいます。何が起きるかはわかっていて、どの文も違うと感じています。そこで練習1を使い、わざと下手に書きます。細部がわからないところは角括弧にします。

ミナは脚立に乗って[カーテン?廊下の鏡?]を外している。ジュンが脚立を支える。不動産屋から電話があったと彼が言う。よかった、なんて?と彼女。彼の返事が一拍遅れ、彼女は手を止める。[彼が言う前に彼女は気づく。しぐさを探す。]「サインしたんだ」と彼女は言う。質問ではない。申し込みの期限は金曜だと彼は言う。彼女は脚立を降り、[あれ]を彼に渡さない。

まだよい文章ではありません。けれど、脚立と、止めた息と、のちに意味を持つ物がある、れっきとした場面です。場面なら書き直せます。次の作業でハナは角括弧を二つ埋め、三つ目はあとに残しました。

1. 次の場面をわざと下手に書く — 10分このセクションへのリンク

タイマーをかけ、避けている場面をできるだけ素っ気なく書きます。文は短く。まだ見えていない描写は飛ばします。それぞれの人物が何をし、何を言い、何を求めるかを、その順に書きます。タイマーが鳴るまで読み返しません。

目的は、書くことと評価することを切り離すことです。最初の版は存在しさえすればよく、そうすれば書き直す側の自分に材料ができます。これをゼロ稿と呼ぶ人もいます。読まれるためではなく、何が起きるかを知るために書く版です。

残すもの:始まりから終わりまで、場面をひと通り書いた版。探すもの:自分でも意外だった一行やしぐさ。本当の場面はたいていそこにあります。

2. わからないことは角括弧に入れる — 5分このセクションへのリンク

足りない言葉や事実、細部に行き当たるたびに、角括弧に入れて先へ進みます。[通りの名前]、[ここで彼女が言うこと。何か残酷なこと]、[電車の所要時間を確認] のように書きます。

角括弧は、止まる場所をメモに変えてくれます。書き終えた原稿で [ を検索すれば、調べものをしても場面の流れを見失わない別の作業時間に、まとめて埋められます。

残すもの:止まっていた段落を、角括弧ごと。探すもの:周りの場面ができたあとなら、1分でいくつ埋められるか。

3. 人物に手紙を書かせる — 10分このセクションへのリンク

人物に、信頼する誰かに宛てて自分の状況を書かせます。何を求めているか、何を言うのが怖いか、次に何をするつもりか。あなたの声ではなく、その人物の声で書きます。ほかの誰も読みません。

場面がどう受け取られるかが怖いときに役立ちます。手紙の読み手は一人だけなので気負いが下がりますし、人物は作者がまだ認めていない物語の事情を知っていることがよくあります。人物が何を求めているかがあいまいなら、次はキャラクターを深める質問を試してください。

残すもの:その手紙。探すもの:避けている場面で圧力をかけられそうな願いや恐れ。

4. 見えている場面へ飛ぶ — 15分このセクションへのリンク

今いる場所に [第12章:ジュンがミナに申し込みのことを話す] のようなメモを残し、すでに思い描けている先の場面へ飛びます。そちらを書きます。

順番どおりに書く必要はありません。あとの場面を書くと、抜けている場面が何を準備すべきかが見えてくることがよくあります。戻ってきたとき、その場面をどこで終えればよいかがわかっています。

残すもの:先の場面と、残したメモ。探すもの:先の場面が成り立つために、前の場面で示しておくべきこと。

5. 次に起こりうることを20個書き出す — 10分このセクションへのリンク

1から20まで番号を振り、各行に次に起こりうる出来事を一つずつ書きます。止まって評価しないでください。最初の5個はありきたりなものになります。面白い案は、ありきたりなものを出し尽くした10個目以降に出てくることが多いです。

そのあと、主人公の状況をより難しくする二つと、読者としての自分が驚く一つに丸をつけます。材料が足りなければ、執筆のお題で設定やひねりを引いて、合うかどうか試してみましょう。

残すもの:三つに丸をつけたリスト。探すもの:決断を先送りにせず、決断を迫る案。

6. 条件を一つだけ変える — 7分このセクションへのリンク

納得できていない最後のページを、一つだけ変えて書き直します。現在形にする、一人称にする、もう一人の人物の視点にする、別の部屋に移す、のどれか一つです。ほかはすべてそのままにします。

新しい条件があると、「うまく書く」以外の解くべき課題ができます。変更がそのまま残ることもあります。それより多いのは、元の版に何が欠けていたかが見えることです。

残すもの:そのページの両方の版。探すもの:新しい版から元の版へ移したい一行。

7. 作業を小さくする — 15分このセクションへのリンク

机に向かう気になれないなら、一回の作業が大きすぎます。タイマーを15分にし、目標を400字ほど、原稿用紙一枚分にします。どちらかに達したら、文の途中でもやめます。

文の途中でやめることにも意味があります。翌日は、もう知っている文を書き終えるところから始められ、白紙から始めるより楽です。作業時間を延ばすのは、これを一週間続けてからにしましょう。

残すもの:毎日の字数のメモ。探すもの:400字がいちばん楽に書けた時間帯。

8. 最後にうまくいっていた場所へ戻る — 15分このセクションへのリンク

中盤で止まっているとき、問題は数章前にあることがよくあります。最後に生き生きしていた場面から読み返し、主人公が何かを求めるのをやめた、あるいは誰にも阻まれなくなった最初の箇所に印をつけます。そこで原稿から緊張が抜けたのです。

その選択を削るか、逆にしてみてください。第9章で妹があっさり同意したなら、彼女が断ったらどうなるでしょうか。それ以降の章をビートシートにすると、平板な区間が見つけやすくなります。

残すもの:印をつけた箇所と、そこで加えられる変更一つ。探すもの:その選択を変えたとたんに、再び切迫する場面。

止まった原稿のための30分の進め方このセクションへのリンク

30分の進め方(時間の比率どおり)

  1. 0〜3分止まり方を知る表から自分の行を選ぶ
  2. 3〜13分一つ目の練習読み返さずに書く
  3. 13〜15分一つ残す下線を引く
  4. 15〜25分二つ目の練習一つ目を続けてもいい
  5. 25〜30分メモを残す次の作業のために
時間の比率どおりに描いています。10分の執筆が2回あり、その前後に選ぶ・残す・次に備える短い時間があります。
  1. 0〜3分:上の表から自分の行を選び、ページの一番上に書きます。
  2. 3〜13分:その行に挙げた一つ目の練習を、10分に縮めて行います。
  3. 13〜15分:手を止め、残すものを一つ選んで下線を引きます。
  4. 15〜25分:その行の二つ目の練習をするか、一つ目がうまくいっていれば続けます。
  5. 25〜30分:次回のためのメモを書きます。どこで止めたか、最初に何を試すか、どの角括弧を埋めたいか。

メモで終えることは、書くことと同じくらい大切です。次の作業は、すでに下した決定から始まります。

ライターズブロックではないときこのセクションへのリンク

問題が原稿にないこともあります。長く続く疲労、何週間も晴れない気分の落ち込み、いつもなら楽しめることへの興味がなくなる状態は、練習で乗り切ろうとするより、医師や信頼できる人に相談する価値があります。休むことも、執筆計画の正当な一部です。

よい版を失わずに、下手な版を残すこのセクションへのリンク

わざと下手に書くのは、それで何も失わないとわかっていれば楽になります。Inkwellでは、荒い版を試す前に保存ポイントを作り、うまくいかなければそこへ戻れます。Plotでは、テイクで一つの場面の荒い版を元の場面の隣に置き、うまくいったほうを残せます。新しい中盤や、別の視点で書く章まるごとのような大きな試みなら、別の下書きラインで書きます。脚本ならPlot、小説や短編、そのほかの長い文書ならCanvasで使えます。