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物語の技法

上昇展開

別名:Rising action、ライジングアクション

きっかけとなる事件からクライマックスまでの出来事の連なりで、障害や紛糾が緊張と賭け金を高めていきます。たいてい物語でいちばん長い部分です。

実践では

上昇展開(ライジング・アクション)は、物語の中で事態がこじれていく部分です。きっかけとなる出来事が主人公を軌道からはずした瞬間から、新しい場面のたびに障害、こじれ、発覚が加わって賭け金が上がり、その圧力はクライマックスでしか解き放てなくなります。たいていは物語の中で最も長い部分で、ほとんどの物語が観客をつかむか失うかもここで決まります。

鍵となる言葉は「上昇」です。出来事はただ次々に起きるだけでは足りず、それぞれが前の出来事より状況を難しく、危険に、あるいは個人的なものにしなければなりません。行き止まりの手がかりを三つ追う刑事には筋書きがあります。二つ目の手がかりが相棒を指し、三つ目が自分の家族を危険にさらす刑事には、上昇展開があります。

脚本では、上昇展開は第二幕の大部分を占め、主人公が最初に行動を決めたときから最後の対決の直前までを覆います。脚本家はそれを、しだいに激しくなる見せ場、ひねり、そして状況を一変させるミッドポイントで組み立てます。脚本のある部分を削っても賭け金が下がらないなら、その部分はおそらく上昇していません。

上昇展開の一場面

計画を難しくするこじれ

INT. 逃走用のバン - 夜

フロントガラスを打つ雨。カル(40代)が腕時計を確かめていると、ずぶ濡れのレナ(30代)がダッフルバッグを抱えて乗りこんでくる。

CAL

4分遅刻だ。マルコはどこだ?

LENA

来ないわ。警察にしゃべってる。

カルは彼女を見つめる。それからバッグを。そしてエンジンをかける。

この場面の前、強盗は危険なものでした。この場面のあと、仲間は一人減り、警察は計画を知っているかもしれず、カルはレナを信用できるか決めなければなりません。一つのビートが、何も解決しないまま三つの問題を加えます。これが上昇展開の働きです。どの場面も、始まったときより人物たちを深刻な苦境に置いて終わるのです。

上昇展開とは

上昇展開とは、きっかけとなる出来事とクライマックスのあいだで緊張を高めていく、筋の中の一連の出来事です。古典的な筋の図式を構成する五つの部分、つまり導入、上昇展開、クライマックス、下降展開、結末の一つです。その図の上では、上昇展開は山の左側の長い登り坂にあたります。

この考え方は、1863年に五幕の劇の構造をピラミッドとして描いたドイツの作家グスタフ・フライタークに由来します。フライタークはこの段階を「上昇」と呼びました。教師たちは彼のモデルを単純にして今日学校で習う図式にし、現代の物語の多くはフライタークの五幕に従っていないにもかかわらず、この用語は残りました。日本では起承転結の「承」と重ねて説明されることもあります。

上昇展開を動かすのは葛藤です。主人公は何かを望み、どの場面もその行く手に何かを置きます。敵対者、ライバル、締め切り、失敗、明るみに出る秘密。障害はそれぞれ選択を迫り、選択はそれぞれ人物に何かを支払わせ、物語をすべてが決まる瞬間へと近づけるべきです。

上昇展開、クライマックス、下降展開

上昇展開はクライマックスへとつながります。クライマックスは緊張が最も高まる地点で、中心となる葛藤が決着します。最後の戦い、対決、物語全体が向かっていた選択。上昇展開が問いを立て、クライマックスがそれに答えます。物語のクライマックスが弱く感じられるとき、問題はたいてい、上昇展開が十分な圧力を積み上げていないことにあります。

下降展開はクライマックスのあとに来ます。起きたことの結果を見せ、残った糸を結んで結末(大団円)へと導きます。主要な問いが解決すると観客の関心は薄れはじめるので、ふつうは短くなります。上昇展開は物語で最も長い部分になることが多く、下降展開は最も短い部分の一つです。

どちらにも出来事と変化があるので、生徒はよく二つを混同します。見分ける鍵は方向です。ある出来事が葛藤を難しくし、結果を不確かにするなら上昇展開です。すでに決着した葛藤の結果を見せるなら下降展開です。クライマックスはその二つの転換点です。

映画と文学の上昇展開の例

『ジョーズ』では、きっかけとなる出来事は最初のサメの襲撃です。続いて上昇展開が来ます。市長はビーチの閉鎖を拒み、少年が殺され、懸賞金がアマチュアの漁師たちを呼び寄せ、違うサメが捕まり、独立記念日の人出を新たな襲撃が襲い、ついにブロディ、フーパー、クイントが海へ出ます。どの段階も危険を増し、選択肢を狭め、サメとの最後の戦いへと至ります。

『ハンガー・ゲーム』では、上昇展開はカットニスが妹の身代わりに志願する瞬間から、訓練、インタビュー、ゲームの開始、ルーとの同盟、そしてルーの死まで続きます。どの段階もゲームをより個人的で政治的なものにし、ピータとの最後の対決へと至ります。『ロミオとジュリエット』では、秘密の結婚と、マキューシオとティボルトが死ぬ乱闘が、劇を悲劇的な結末へと押し進めます。

ミステリーでは、上昇展開は事件を複雑にする手がかりの連鎖であることが多いものです。新しい容疑者、二つ目の殺人、崩れるアリバイ。恋愛ものでは、二人が近づいていくのと同時に二人を引き離す障害の連続です。ジャンルは変わっても形は同じで、こじれが積み重なり、賭け金が上がっていきます。

上昇展開の書き方

すべての場面を上昇させましょう。場面を書く前に、始まりより終わりのほうが何が悪くなっているかを自問してください。答えは、新しい障害、失った味方、明かされた秘密、迫る締め切りかもしれません。何も悪くなっていないなら、その場面を削るか、賭け金が上がるように書き直しましょう。

こじれに変化をつけましょう。主人公が同じ種類の障害にばかりぶつかる物語は、一つひとつが大きくなっていても単調に感じられます。外的な問題(敵、嵐、鍵のかかったドア)と内的な問題(疑い、罪悪感、失敗につながる欠点)を混ぜ、前進に見えたことが事態を悪化させるひねりを少なくとも一つ入れましょう。

トラブルを主人公の選択から生み出しましょう。上昇展開が最も強くなるのは、人物の決断が次の問題を生むときです。そうすると筋が人物の本質と結びつくからです。中盤でミッドポイントを使って状況を一変させ、上昇展開の最後の段階が、人物にクライマックスに立ち向かう以外の選択肢を残さないようにしましょう。

よくある質問

上昇展開とは、簡単に言うと何ですか?

上昇展開とは、物語の中で問題が積み重なり、緊張が高まっていく部分です。きっかけとなる出来事のあとに始まり、物語で最も手に汗握る瞬間であるクライマックスへとつながります。

上昇展開の例を教えてください。

『ジョーズ』では、最初の襲撃のあと、ビーチは開いたままになり、少年が殺され、違うサメが捕まり、独立記念日の人出を新たな襲撃が襲います。どの出来事も賭け金を上げ、ついに主人公たちはサメを追って海へ出ます。

筋の5つの部分は何ですか?

導入、上昇展開、クライマックス、下降展開、結末です。上昇展開はふつう最も長い部分で、きっかけとなる出来事からクライマックスまで緊張を高めていきます。

上昇展開の前には何がありますか?

人物、場所、状況を紹介する導入と、主人公の日常をかき乱して主要な葛藤を始動させるきっかけとなる出来事です。上昇展開は、その葛藤が動き出したときに始まります。

上昇展開と下降展開の違いは何ですか?

上昇展開は、葛藤を難しくすることでクライマックスへとつながります。下降展開はクライマックスのあとに来て、葛藤が決着したあとの結果を結末まで見せます。

上昇展開はどれくらいの長さにすべきですか?

ふつうは物語で最も長い部分で、全体のおよそ半分になることが多いです。長編映画の脚本では第二幕の大部分を占め、110ページの脚本ならおおよそ25ページから85〜90ページまでにあたります。

きっかけとなる出来事は上昇展開に含まれますか?

きっかけとなる出来事はふつう上昇展開の直前に起き、それを動かし始めます。最初の出来事として上昇展開に含める教師もいますが、いずれにしても、そのあとに続いてクライマックスへ至るものはすべて上昇展開です。