フォーリー
別名:フォーリー効果音、生音
足音、衣ずれ、小道具などの日常の効果音を、完成した映像に合わせてアーティストがその場で演じるものです。ユニバーサル・スタジオのジャック・フォーリーにちなんで名づけられました。
完成した映画の音と、その作り方。
- 画面の中
- 積もったばかりの雪を踏みしめる足音。
- フォーリー・ステージ
- 革の袋に入れて握ったコーンスターチ。
実践では
フォーリー(Foley)は、完成した映像に合わせて日常の効果音を録音する技術で、画面を見ながらアーティストがその場で音を演じます。日本では効果音や生音(なまおと)とも呼ばれます。足音、コートのこすれる音、置かれるカップ、鍵穴に差し込まれる鍵、パンチ。映画で聞こえる小さな音のほとんどは撮影現場で録られたものではなく、後でフォーリー・ステージで、画面の動きの一つひとつに合わせて誰かが作ったものです。
名前の由来は、ユニバーサル・スタジオの音響技師ジャック・フォーリーです。彼は1920年代の終わりに、初期のトーキー映画にその場で効果音を加え始めました。最初の作品は1929年の『ショウボート』です。映写される映像を見ながら音を演じるという彼の方法は、映写機がモニターに、テープがデジタルレコーダーに変わった今も、そのまま使われています。
フォーリーが必要なのは、撮影現場の録音が台詞を拾うために作られているからです。現場のマイクは俳優の口に向けられているので、足音や衣ずれは薄く録れるか、まったく録れず、ノイズと一緒に消されてしまうこともよくあります。フォーリーは、海外向けの吹き替え版も可能にします。吹き替えのために台詞を取り除いても、フォーリーのトラックが足音もドアの音も元の場所に残してくれるのです。台詞を除いたこの音声はM&E(ミュージック・アンド・エフェクツ)と呼ばれます。
フォーリー・アーティストに聞こえるように書いた音
INT. 質屋 - 夜
暗闇。ショーウィンドウを打つ雨。裏口の鍵穴を鍵がこする。外れる。もう一度。
ドアがきしみながら数センチ開く。止まる。
ずぶ濡れのマイロ(20代)が入ってくる。スニーカーがリノリウムの床でぐしゅっと鳴る。きしむたびに彼は固まる。
MILO
(ささやき声で)
しーっ。しーっ。
カウンターの奥で、何かがチクタクと鳴る。続いて二つ目のチクタク。何十本もの腕時計が、すべて動いている。
このシーンには、大文字の効果音指定は一つも必要ありません。それでも、どのト書きも音響チームに演じるべきものを渡しています。鍵がこすれて外れる音、止まる蝶番、硬い床の上の濡れたスニーカー、大きくなっていくチクタク。観客に見えるものと同じくらい具体的に、観客に聞こえるものを描く脚本家は、フォーリー・ステージが命を吹き込めるシーンを書いているのです。
フォーリーの音の作り方
フォーリー・ステージは、さまざまな床面とがらくたで埋め尽くされた録音室です。床には砂利、砂、コンクリート、木、タイル、水を入れたピットがあり、棚には靴、ドア、鎖、コーンスターチの袋、小道具の箱が並んでいます。二、三人のフォーリー・アーティストがモニターでシーンを見ながらタイミングを合わせて音を演じ、ミキサーがそれを録音します。
作業はふつう三つのパスに分けられます。足音は、それぞれの人物の靴と床に合わせた歩く音です。衣ずれは、服と体の音、たとえばジャケットのこすれや革ベルトのきしみです。そのほかの音はすべて「スペシフィック」と呼ばれます。手に持った小道具、落ちる物、ドア、パンチ、転倒などです。
トリックが有名なのは、それが本当に効くからです。折ったセロリは骨の折れる音に聞こえます。革の袋に入れて握ったコーンスターチは、雪の上の足音に聞こえます。お盆の上で打ち合わせたココナッツの殻は馬のひづめの音になり、これはラジオドラマから受け継がれたトリックです。テーブルに叩きつけた濡れたセーム革は、床に倒れる体の音になります。目的は正確さではなく、観客にとって本物らしく聞こえることです。
あなたも聞いたことがあるフォーリーの例
ほとんどすべての映画で、足音はフォーリーです。次に二人が歩きながら話すシーンを見るときは、足音に耳を澄ませてみてください。くっきりとして均一で、それぞれの俳優の靴に合っているはずです。現場の録音では、まずそうはなりません。
アニメーションは、撮影現場で何も録音されていないので、すべてがフォーリーと効果音です。ピクサー映画のどの衣ずれも、ぶつかる音も、足音も、後から演じられるか作られたものです。アクション映画は格闘シーンでフォーリーに頼ります。画面のパンチは、たいていフォーリー・アーティストが革や肉やキャベツを叩いた音に、デザインされた効果音を重ねたものです。
ホラーは、観客がいちばん恐れる、近くて静かな音にフォーリーを使います。床板、息づかい、回るドアノブ。登場人物が音を立ててはいけない『クワイエット・プレイス』(2018)では、音響チームが、もっと騒がしい映画なら埋もれてしまう小さなフォーリーの音で緊張の多くを作り上げました。
フォーリー、効果音、ADRの違い
フォーリーは、人が画面に合わせて演じる音です。効果音(サウンドエフェクト)は、ハードエフェクトとも呼ばれ、ライブラリから持ってくるか編集室で作る音です。爆発、車のエンジン、銃声、異星人の武器などです。大きなアクションシーンは両方を使います。車のエンジンは効果音で、ハンドルを握る運転手の手の音はフォーリーです。
ADR(automated dialogue replacement)は、同じ考え方を声に当てはめたものです。日本ではアフレコとも呼ばれます。雑音が入っていたり変更が必要だったりする現場の台詞を差し替えるために、俳優がスタジオで台詞を録り直します。フォーリーもADRもポストプロダクションの一部で、完成した映画がどんな現実の場所よりもクリアに聞こえるのは、この二つがあるからです。
サウンドデザインは、それらすべてを形づくる、より広い技術です。サウンドデザイナーが世界の聞こえ方を決め、その後でフォーリー、効果音、台詞、音楽が一つのトラックにミックスされます。
脚本に音を書く方法
物語にとって大切な音を、平易なト書きで書きましょう。「二階で床板がきしむ」。昔のアメリカの脚本は、音響部に知らせるために大事な音を大文字で書きました(「a GUNSHOT」)。今でも重要な瞬間にそうする書き手はいます。ただし控えめに。大文字だらけのページは、叫んでいるように読めます。
具体的な描写は、一般的な描写に勝ります。「足音」では読み手にほとんど何も伝わりませんが、「濡れたタイルをぺたぺたと叩く裸足」なら、誰が、どこで、どのくらいの速さで歩いているかが伝わります。別の部屋から聞こえる悲鳴や外の車のドアの音のように、音が映像の代わりを務めるとき、音はそれだけで種明かしや恐怖を運ぶことができ、見せるより撮影も安く済みます。
よくある質問
フォーリーとは何ですか?
足音、衣ずれ、小道具などの日常の効果音を、撮影後の映像に合わせてアーティストがその場で演じて再現し、サウンドトラックにミックスする技術です。
なぜフォーリーと呼ばれるのですか?
ユニバーサル・スタジオの音響編集者ジャック・フォーリーにちなんだ名前です。彼は1920年代の終わりに、『ショウボート』(1929)を皮切りに、映像に合わせて効果音をその場で演じる技術を確立しました。
フォーリー・アーティストは何をする人ですか?
シーンを見ながら、映像のタイミングに合わせて音を演じる人です。正しい靴で正しい床を歩き、小道具を扱い、格闘や転倒を、いちばん本物らしく聞こえるもので再現します。
フォーリーと効果音はどう違いますか?
フォーリーは人が映像に合わせてその場で演じる音で、主に人の動きに伴う小さな音です。効果音はライブラリから持ってくるか作るもので、ふつうは爆発、エンジン、銃声のような大きな音です。
フォーリーの音にはどんな例がありますか?
足音、衣ずれ、テーブルに置かれるグラス、鍵、ドア、パンチ、転倒などです。定番のトリックには、骨の音に折ったセロリ、雪にコーンスターチ、馬のひづめにココナッツの殻があります。
映画にはなぜフォーリーが必要なのですか?
現場のマイクは台詞に集中しているので、ほかの音は弱く録れるか、ノイズと一緒に消されてしまいます。フォーリーはそれをきれいに取り戻し、吹き替えのために台詞を差し替えても効果音を元の場所に残します。
脚本に効果音を書くべきですか?
物語にとって大切な音を、ト書きで具体的に書きましょう。重要な音を大文字で書くのは任意の慣習です。すべての音ではなく、いくつかの瞬間だけに使いましょう。