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物語の技法

キャラクターの元型

別名:アーキタイプ、キャラクターアーキタイプ

英雄、賢者(メンター)、トリックスター、影など、文化を問わず物語に繰り返し現れる役割です。元型が表すのは人物が物語の中で果たす働きであり、人物の人柄ではありません。そのため、まったく違う人物が同じ役割を担うこともあります。

実践では

元型は人柄ではなく、働きです。賢者(メンター)とは、これから起きることに向けて主人公を準備させる人物であり、影とは、主人公が乗り越えなければならないものを体現する人物です。働きで考えると、あるシーンになぜその人物が必要なのか、その人物を削ると何が欠けるのかが見えてきます。

元型はステレオタイプではありません。オビ=ワン・ケノービ、ミヤギ、モーフィアスはいずれも賢者の役割を担っていますが、誰も三人を取り違えません。それぞれに固有の過去、話し方、弱さがあるからです。元型が与えるのは役割であり、ページ上の人物を本物らしく感じさせるのは具体的な細部です。

物語が進むにつれて、人物が別の元型へ移ることもあります。使者が実は影だったとわかったり、門番が味方になったり、主人公がひとりで立ち向かうために賢者が失敗したり死んだりします。物語のいちばんの驚きは、こうした移り変わりから生まれることがよくあります。

働く賢者

賢者が自分の役目を果たすシーン

INT. ボクシングジム - 夜

リングの一つの上だけに明かりがついている。カイ(19)がサンドバッグを叩いている。雑で、怒りに任せた打ち方だ。ジムのオーナー、ローサ(60代)が折りたたみ椅子から見ている。

ローサ

金でも貸してるみたいな殴り方だね。

カイ

貸してるのかもな。

ローサは立ち上がり、両手でバッグをつかんで揺れを止める。

カイの次の一発がきれいに入るまで待つ。それから一度だけうなずき、去っていく。

ローサは賢者であり、このシーンは彼女が言うことではなく、することによって元型を見せています。カイを試し、規律をひとつだけ与え、それをどう使うかは彼に任せます。誰も彼女の役割を説明しませんが、シーンが終わるころには観客は彼女が何のためにいるのかを知っています。

キャラクターの元型とは

元型(アーキタイプ)という言葉は心理学者カール・ユングに由来します。ユングは二十世紀初め、老賢者、母、トリックスターといった特定の像が、文化を問わず神話や夢に繰り返し現れると論じました。ジョーゼフ・キャンベルは『千の顔をもつ英雄』(1949年)でこの考えを取り上げ、英雄神話と、英雄を助けたり妨げたりする人物たちに共通する型をたどりました。

これらの考えを脚本家に伝えたのがクリストファー・ボグラーです。ディズニーのストーリー部門向けに書いたメモは、のちに『神話の法則』(The Writer’s Journey)という本になりました。この本は元型を、物語が埋める必要のある役割として扱います。主人公を冒険へ呼び出す者、境界を守る者、主人公に立ちはだかる者です。ボグラーは、元型は固定された型ではなく、人物があるシーンや物語のあいだにかぶる仮面だと強調しています。

元型は、ステレオタイプ、類型的人物(ストックキャラクター)、トロープとは違います。ステレオタイプは、ある集団の人々についての単純化された決めつけです。類型的人物は、軽口を叩く相棒のように、あまり掘り下げずに使われるおなじみの型です。トロープは、見てそれとわかる物語の約束事全般を指します。元型はその奥にある役割であり、具体的な一人の人間で満たしたときに新鮮になります。

よく使われるキャラクターの元型と例

ボグラーは八つの元型を挙げています。英雄(ヒーロー)は物語がその旅を追う人物で、ルーク・スカイウォーカーやネオがそうです。賢者(メンター)は英雄を準備させる人物で、オビ=ワン、モーフィアス、ガンダルフがそうです。使者(ヘラルド)は冒険への誘いを運んでくる人物で、ハリー・ポッターに手紙を届けるハグリッドがその例です。門番(境界の守護者)は行く手をふさぐ人物で、『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』の橋の番人がその例です。

変身者(シェイプシフター)は忠誠がはっきりせず、英雄と観客を迷わせ続けます。『マトリックス』のサイファーがその一例です。影(シャドウ)は英雄が打ち負かすべき力を表し、ダース・ベイダーのような悪役であることが多い人物です。仲間(アライ)は道中で英雄を助ける人物で、サムワイズ・ギャムジーがそうです。トリックスターは笑いと混乱をもたらす人物で、『シュレック』のドンキーがその例です。

もう一つよく知られたリストは、マーガレット・マークとキャロル・S・ピアソンの『ブランド・ストーリーの原型』(The Hero and the Outlaw、2001年)から来ています。この本はユングの考えをブランディングに応用したもので、無垢な人、探検家、賢者、英雄、無法者、魔術師、普通の人、恋人、道化、援助者、創造者、統治者の十二です。よくユングの十二の元型と呼ばれますが、ユング自身が十二のリストを示したことはありません。脚本家は人物の核となる動機を語る言葉としてこれを使います。

脚本で元型を使う方法

元型は部品から草稿を組み立てるためではなく、草稿を診断するために使いましょう。主人公が一度も考えを変える必要がないなら、それを迫る賢者や影が物語に欠けているのかもしれません。第二幕がたるむなら、境界を守る人物や、立場を変える人物がいるかを確認します。登場人物の誰も担っていない仕事を探してください。

それぞれの元型に、具体的な一人の人間を与えましょう。賢者が自分自身のために何を望んでいるのか、何を誤解しているのか、どんな話し方をするのかを決めます。自分なりの思惑をもつ賢者や、自分こそ英雄だと信じている影は、構造の空欄を埋めるためだけに存在する人物よりずっと生き生きと感じられます。

一人の人物に二つ以上の仮面をかぶらせましょう。役割を兼ねさせると登場人物を絞り込めます。恋の相手が使者を兼ねることも、仲間が一時的に変身者になることもあります。草稿全体でこうした移り変わりを追うと、それぞれの変化がきちんと準備され納得できるものなのか、それとも筋の都合で人物の振る舞いが変わっただけなのかがわかります。

よくある質問

キャラクターの元型とは何ですか?

キャラクターの元型とは、英雄、賢者、トリックスター、影など、人物が物語の中で繰り返し担う役割です。人物の人柄ではなく、物語の中での働きを表します。

八つのキャラクターの元型とは何ですか?

クリストファー・ボグラーの『神話の法則』では、英雄、賢者、使者、門番、変身者、影、仲間、トリックスターの八つです。ボグラーはユングとキャンベルの仕事をもとにこれらをまとめました。

ユングの十二の元型とは何ですか?

よく知られた十二のリストは、無垢な人、探検家、賢者、英雄、無法者、魔術師、普通の人、恋人、道化、援助者、創造者、統治者です。このリストはユング自身ではなく、マークとピアソンの『ブランド・ストーリーの原型』(2001年)から来ています。

元型とステレオタイプの違いは何ですか?

元型は人物が物語の中で担う役割で、誰でもその役割を担えます。ステレオタイプは、ある集団の人々についての平板で単純化された思い込みです。具体的な細部が元型を一人の人間に変えますが、ステレオタイプには手がかりになる細部がありません。

一人の人物が複数の元型になることはありますか?

あります。人物はしばしば複数の仮面をかぶったり、仮面を替えたりします。ハン・ソロは最初、忠誠のはっきりしない傭兵、つまり変身者として登場し、『スター・ウォーズ』の終わりには仲間となり英雄になります。

キャラクターの元型とヒーローズ・ジャーニーはどう関係していますか?

ヒーローズ・ジャーニーは物語の段階を表し、元型は英雄が道中で出会う人々の役割を表します。キャンベルの本は両方を扱っており、ボグラーが脚本家向けにまとめた版では、各段階にふつう現れる元型が対応づけられています。