誰にも聞かれていない質問に登場人物が答える。車に置いてきた銃がまたポケットに入っている。誰も果たしていないのに、約束が片づいたことになっている。けがが6ページのあいだ消え、そのあとでまた重要になる。
どれも、いま書いているシーンの中では問題なく読めます。破綻するのは、それより前に起きたすべてと照らし合わせたときです。だから通して読んでも見つかるのが遅く、連続性チェックは、ある事実を定めた行と、それを破る行を並べて見る形で働く必要があります。
台帳は、その状態を自分で把握しておくためのいちばん手軽な方法です。
状態の変化ごとに1行このセクションへのリンク
脚本をシーンごとに要約するのはやめましょう。記録するのは、状態が変わる事実か、あとで残っていることが重要になる事実だけです。
1行あたりの項目は9つです。
- シーンの識別子:今のシーン番号だけではない、変わらない参照。
- 対象:人物、小道具、場所、関係、約束、けが、手がかり。
- 前の状態:シーンに入る時点で成り立っていること。
- 出来事:変わること、または変わったように見えること。
- 後の状態:シーンを出る時点で成り立っていること。
- 知っている:その事実を知っている人物。
- 信じている:現実とは違うことを信じている人物。
- 観客は知っている:観客にそれが見せられているかどうか。
- いつまで続くか:その状態を正当に解消できるシーン。
知っている、信じている、観客は知っているは、つい飛ばされがちな列です。見つける価値のある間違いの多くは、この3つに潜んでいます。
知っていることと事実は別の列このセクションへのリンク
3つのシーンからなる流れを例にしましょう。
シーンA:レナがパスポートをピアノに隠す。観客はそれを見る。オマルは見ていない。
シーンB:オマルはレナに、パスポートは処分されたと言う。彼はそう信じている。レナはそれが嘘だと知っている。
シーンC:オマルがピアノを開け、パスポートを見つける。
パスポートの場所しか記録しない台帳は、この流れの中でいちばん面白くない事実をとらえただけです。4つのことが同時に成り立っていて、しかも食い違っています。
- パスポートはピアノの中にある。
- レナはパスポートがピアノの中にあると知っている。
- オマルはパスポートが処分されたと信じている。
- 観客はそれがどこにあるかを見ている。
シーンCが効くのは、この4つのうち3つが食い違っているからです。
どの事実に1行を割くかこのセクションへのリンク
実際に続けられるよう、基準は高めにしておきましょう。次のうち少なくとも1つに当てはまる事実に1行を割きます。
- ほかのシーンがそれに依存している。
- 2人の人物が、それについて違う認識を持ちうる。
- 観客が知っていることと、ある人物が知っていることが違う。
- 大きな時間や場所の変化をまたいで続く。
- 忘れると、目に見える矛盾や、崩れた仕込みと回収が生まれる。
美術の飾りには行は要りません。30ページ後に誰かが手を伸ばす小道具には要ります。
シーンを動かすときに使うこのセクションへのリンク
パスポートが見つかる場面をシーン38からシーン21に移すと、古い位置を前提にしていた知識の状態を持つ行はすべて疑わしくなります。本文に一度も手を触れていないシーンも含めてです。影響を受ける範囲は編集した範囲より広く、だからこそ下書きを行ではなくシーンごとに比べる意味があります。
実際に何が変わったかを教えてくれる場所で書く価値があるのも、同じ理由です。意味的な変更は下書きを行ではなくシーンと台詞の単位で比べ、保存ポイントは比べるための固定されたバージョンを用意し、下書きラインを使えば、元の版をそのまま残したまま、並行する版で明かす場面を動かせます。
ソフトウェアが役立つところこのセクションへのリンク
Plotはこの台帳をあなたの代わりに付けてはくれません。初稿から自動で台帳を作れると言うツールは疑ってかかるべきです。人物が何を信じているか、観客が何を知っているかは書き手が決めることで、解析器がページから読み取れる性質ではありません。だからこそAIによる書き直しは、きれいに読めても明かす場面を早く使ってしまうことがあるのです。
その一方で連続性を確認は、完成した下書きを機械的な側面について読みます。時系列、人物の知識、小道具、衣装、けが、場所、名前です。そして矛盾を見つけると、事実を定めた行と破った行の両方を引用して示します。指摘のほとんどは確認用で、証拠が添えられているので、どう直すかはあなたが決められます。
表計算ソフトの一番上に9つの列を並べ、書きながら行を足していきましょう。台帳はあなたのものです。Plotが教えてくれるのは、シーンを動かしたその瞬間に、どの行が疑わしくなったかです。