稿Aにはモーテルの部屋のシーンがあります。稿Bで書き手はそのシーンを電話の場面のあとに移し、その前に短いシーンを加え、柱をINT. MOTEL ROOM - NIGHTからINT. ROADSIDE MOTEL - LATERに変えます。
行単位の比較は、シーンがひとつ削除され、別のシーンがひとつ作られたと報告します。でも、何も削除されてはいません。
単語を読む前にシーンを対応づけるこのセクションへのリンク
ページ番号とシーン番号は、納品のための座標です。ロック前は、シーンが加わったり削られたりするたびにずれます。ロック後は、挿入したシーンが42Aになります。そうするのは、抜粋台本、撮影スケジュール、ラインド・スクリプトのために、古い番号が同じものを指し続けるようにするためです。いずれにしても、番号が教えてくれるのはシーンが納品物のどこにあるかであって、それがどのシーンかではありません。
ですから、稿Bのモーテルのシーンについて最初に問うべきは、それが稿Aのものと同じ劇的な単位かどうかです。同じ人物、同じ出会い、シーケンスの中での同じ役割。それが決まってはじめて、変わった文を読む意味が出てきます。
それから5つの層を比べるこのセクションへのリンク
同一性。そのシーンは編集されたのか、移動したのか、分割されたのか、統合されたのか、それとも本当に差し替えられたのか。これは5つの異なる操作で、それぞれ結果も異なります。移動したシーンは削除されたシーンではありません。2つに分けたシーンは、文章をほぼすべて残したまま、周りのシーケンスのリズムを変えることがあります。
劇的な意図。それぞれの稿について、そのシーンが何を果たすかを1文で書きます。マーラはジョエルが鍵を持っているかを探ろうとするとマーラは鍵のことを知らないとジョエルに思わせるは、舞台も台詞の大半も同じでありながら、シーンの役割が調査からだましに移っていることがあります。
情報の流れ。観客が知ること、そして各人物が知ることや信じていることを追います。この2つは同じ帳簿ではありません。ひとつの明かす場面を3ページ前に移すと、元の位置と新しい位置のあいだにあるすべてのシーンのサスペンスが変わります。文章の修正はごくわずかでも、構造への影響はわずかではありません。連続性台帳を使えば、その状態がはっきり見えます。
人物の状態。シーンのあとに残るものを書き留めます。目的、切り札、忠誠、知識、感情の位置です。役に立つ問いは、ある行が変わったかどうかではありません。人物がシーンに入る前とは違う状態でシーンを出ていくかどうかです。あとのシーンはすべて、古い状態を前提に書かれているからです。
制作コスト。稿が制作に近づくと、改稿は運営上の出来事にもなります。ロケ地、キャスト、小道具、シーン番号、ページのロック、改訂の色、ブレイクダウンのデータ。内容の上では見事な書き直しでも、制作上は高くつく変更になることがあり、信頼できる比較はその両方を見せてくれます。
単語単位の差分が真価を発揮するところこのセクションへのリンク
これは文章の比較の価値を下げるものではありません。最初ではなく最後の手順にする、ということです。
単語単位の差分は、最後の仕上げにとても向いています。台詞の磨き上げ、抜け落ちたビート、変わった名前、変わった小道具、うっかり消した箇所、そして共同作業者やモデルが提案した編集を正確に承認することです。弱いのは、どのシーンがどれかを差分だけで推し量らせたときに限られます。
ですから順番はこうです。比べる単位を確定し、意味的な変更を見極め、それから正確な単語を確認します。
まずシーンを対応づけ、それから単語を読みましょう。