本文へ移動
制作WGAワークフロー

ページのロック、Aページ、改訂色

Inkwellチーム読了時間:5分

ばらばらのファイルが高くつくのは、制作の段階です。コーディネーターは、どの稿が配られたのか、どの改訂色が最新なのか、そして42ページと言ったときに全員が何を指しているのかを正確に知っておく必要があります。撮影、衣装、ロケ地、キャスト、助監督は、みな同じ参照をもとに計画を立てます。書き直しで脚本の番号が黙って振り直されると、ひとつの創作上の変更が運営上の問題になります。

だから制作用の脚本には、安定した基準、目に見える改訂履歴、そしてその背後にある判断を切り離さない書き出しが必要です。Plotは、こうした要素を構造化された脚本と保存ポイントの履歴に結びつけたままにします。

脚本をロックするとは実際にどういうことかこのセクションへのリンク

ロックとはページ割りのことであって、パスワードや創作上の完成を意味するものではありません。制作前なら、12ページに段落をひとつ加えると、それ以降のページがすべて後ろにずれることがあります。下書きが流動的なうちは、それで構いません。けれども各部署がシーンのスケジュールを組み、ページを準備しはじめたら、それは破壊的です。脚本の大部分は変わっていないのに、下流の参照がすべて変わってしまいます。

制作の基準は、チームがすでに配ったページとシーンの参照を固定します。あとから加わる内容は、その基準の周りに収まります。

  • 既存のページは、決まった番号を保ちます。
  • 挿入した内容は、元の43ページを44ページにするのではなく、42Aや42BといったAページになります。
  • 削除した内容は、連続性が重要な箇所に欠番シーンの印を残し、番号の抜けが手違いに見えないようにします。
  • 改訂マークと色のセットが、今回の配布で何が変わったかを示します。

Final Draftによるページのロックの説明も、同じ必要性を述べています。変更によって、それ以降のすべてのページ番号が変わってはいけないということです。ロックツールのガイドでは、Aページ自体も配布を重ねるなかでロックできる理由を説明しています。

Plotでは、制作の基準、Aページ、欠番シーン、ブレイクダウンのデータ、改訂の回、書き出した制作用PDFの中の固定されたAページの表記が、すべて同じ構造化された下書きの上にあります。つながった制作の流れが、引き渡しの時点で別の文書モデルになることはありません。

白ページから色の順序へこのセクションへのリンク

ロックした制作稿は白から始まります。配布する改訂ごとに、下に示したWGAと業界の色の順序を進み、その順序を使い切ると、下のキャプションにあるとおり序数を頭につけて繰り返します。Plotはこの順序を、製品が使っているのと同じ改訂の記録から導き出していて、このページも含め、サイトのあちこちに手書きのリストを別々に置くことはしていません。用語については改訂色の用語集の項目で詳しく説明しています。

制作での順番は次のとおりです:白、青、ピンク、黄、緑、ゴールデンロッド、バフ、サーモン、チェリー、タン。タンの後は順番がもう一度始まります:2巡目の青、2巡目のピンクと続きます。

色は飾りではありません。2つの問いへの簡潔な答えです。

  1. これは何世代目のページか。
  2. その世代でどのページが変わったか。

本読みのあとで白の稿をロックしたとしましょう。監督による推敲で3つのシーンが変わり、青として配られます。プロデューサーのメモで42ページのあとに半ページが加わり、ロックしたページ割りのもとでは42Aができ、新しい配布はピンクになります。さらにロケ地の変更でシーン57が削られ、黄のためにブレイクダウンのレポートが更新されます。役に立つ履歴とは、FINAL_BLUE_v4.pdfやFINAL_PINK_REAL.pdfが入ったフォルダーではありません。それぞれの納品物を生んだ脚本の状態に結びついた、名前つきの瞬間の連なりです。

Final Draftの改訂モードのドキュメントでは、制作チームがおなじみのマーク、ページの色、有効な改訂セットについて説明しています。Plotはこうした共通の慣習を使いながら、それぞれの回を保存ポイントと構造化された脚本データに結びつけたままにします。

ロック後に保存ポイントが大事な理由このセクションへのリンク

保存ポイントは、制作の配布に長く残る名前を与えます。White lock、Blue — director pass、Pink — producer notesのように。また、シーンやセリフの単位で意味的な変更を確認するための基準にもなります。書き手は、描画された2つのPDFを1文字ずつ比べなくても、「何が変わったのか」に答えられます。

この履歴は、便利さ以上の役に立ちます。WGAのクレジットに関するマニュアルは、会社に提出した文芸素材や書面での提案について、日付を入れて適切にラベルをつけた写しを保管するよう脚本家に勧めています。保存ポイント、共同作業の記録、メモ、対応する書き出しファイルは、誰が何をいつ書いたかを裏づける助けになります。実際の文芸素材や納品時のやりとりと一緒に保管しましょう。最も強い記録は、書かれた作品そのものと、それがいつどのように納品されたかを示す文脈です。

長編が制作に入ってからの権利と責任については、WGAの脚本家向けハンドブックから始めるほうがよいでしょう。Plotの役目は、その根拠となる記録をたどれるようにすることであって、製品内の出来事を組合への届け出に変えることではありません。

PDF、FDX、Fountainはそれぞれ別の引き渡しに使うこのセクションへのリンク

Plotは3つの経路すべてに対応していますが、互いに置き換えられるふりはしません。

  • PDFは、読むためと配るための写しです。Plotは、おなじみの要素の配置、余白、間隔、表紙、ページ割りを備えた、WGA準拠の脚本書式で書き出します。アカデミーの脚本書式ガイドは、プロのページの形や、応募用の脚本と撮影台本の違いについて参考になる公開資料です。
  • FDXは、Final Draftの構造化された交換形式です。PlotはFDXの取り込みと書き出しの両方に対応しているので、コーディネーターやスタジオ、ほかの制作ツールに求められたときに、下書きを双方向にやりとりできます。
  • Fountainは、持ち運べるプレーンテキストの原本です。独自のアプリの外でも読むことができ、脚本をテキスト中心の構造として保ちます。

形式は、受け取る人の仕事に合わせるべきです。読み手は制作用の情報を含まないきれいなPDFを求めるかもしれません。コーディネーターはFDXを求めるかもしれません。保管用には、配布したPDFとFountainの原本が必要かもしれません。それぞれを名前つきの保存ポイントに結びつけておけば、引き渡しを繰り返し再現できます。

外に出るファイルそのものを事前に確認するこのセクションへのリンク

制作の状態と応募の状態は、いつも同じとは限りません。ブラインドで読む審査では、匿名の表紙と制作用の情報なしが求められるかもしれません。制作事務所では、シーン番号と改訂情報が求められるかもしれません。Plotの事前チェックは、書き出しの前に、印刷できる構造、表紙の内容、空の要素、制作専用の情報を確認します。

表紙の設定は、保存されている文書の情報と、納品物に見える内容とを分けて扱います。作者名や連絡先を下書きに残したまま、匿名の写しからは外すことができます。PDFのファイルプロパティの設定は、見えるページがきれいでも書き手を特定できてしまう、目立たないメタデータを扱います。ひとつの納品用の版を作るためだけに、元に戻せない編集をする必要はありません。

書式についてはWGA準拠の脚本書式をご覧ください。ここでの「WGA準拠」はページの書式に沿っていることを指し、組合がPDFやソフトウェア製品を認定しているという意味ではありません。

制作への引き渡しのための実践チェックリストこのセクションへのリンク

改訂を配る前に、次のことを行いましょう。

  1. 有効な制作の基準と改訂色を確認する。
  2. ファイルを作る前に、その配布のための保存ポイントに名前をつける。
  3. 前回配布した保存ポイントと比べて、意味的な変更を確認する。
  4. シーン番号、欠番シーン、ブレイクダウンのデータ、挿入したAページを確認する。
  5. 応募用の事前チェックを実行し、表紙、メタデータ、制作用の情報について正しい設定を選ぶ。
  6. 受け取る人が必要とする形式で書き出す。WGA準拠のPDF、双方向のFDX、Fountain、またはその組み合わせです。
  7. 実際に納品したファイルを、保存ポイントと納品時のやりとりと一緒に保管する。

こうして、白のロックから色つきの改訂、そして制作への引き渡しまでが、ひとつの道筋になります。外に出ていくPDFやFDXは、あくまで成果物です。けれども、脚本がどうやってそこにたどり着いたのかを説明する、唯一残ったものである必要はもうありません。